オンラインカジノ詐欺・違法行為の全貌|日本での被害事例と対策

オンラインカジノの違法性とリスク
オンラインカジノに関する詐欺や違法行為が日本国内で頻発しています。近年、SNSやYouTube、仮想通貨の普及により、より巧妙な手口が横行しており、知らないうちに詐欺に巻き込まれるケースが増えています。
本記事では、日本国内で報告されている違法オンラインカジノや関連詐欺の手口を詳しく解説し、実際の被害事例とともに、逮捕のリスクや安全対策についても触れていきます。
1. 違法オンラインカジノ(インカジ・闇カジノ)

違法なインターネットカジノ(インカジ)は、国内の実店舗でオンラインカジノ(偽オンラインカジノ、違法サイトなども含む)をプレイさせる仕組みです。
こうした施設を提供する行為は賭博罪に該当しますが、実はプレイヤー自身も摘発される可能性があるので、「騙された」だけでは済みません。
特徴として、より高額な賭けをさせられたり、勝ったのに信じられない程高額なマージンを差し引かれたりします。
日付 | 内容 |
---|---|
2025年1月30日 | 東京都内の違法賭博店で4人の客が逮捕 |
2023年2月 | 新宿のインカジ店舗で、店員8名と客4名が逮捕 |
2020年7月 | 歌舞伎町のインカジ「グーグル」摘発 |
2016年3月10日 | 京都府警が「スマートライブカジノ」で遊んだプレイヤー3人を賭博容疑で逮捕(国内初のプレイヤー摘発) |
対策
- 怪しい店舗に立ち入らない、怪しい勧誘にのらない (付いていって店舗に入ってしまうと、逃げられなくなる可能性あり)。
- 道端でオンラインカジノに関する儲け話などを持ちかけられても信用しないこと。
2. SNS経由のオンラインカジノ詐欺

SNSを利用したオンラインカジノ関連の詐欺行為の事例もいくつか報告されています。
これらは、一見オンラインカジノと何も関係ないように見えることが多く、知らない間に引っかかってしまう可能性が高いです。
SNSやマッチングアプリを通じた詐欺
外国人を装った詐欺師がSNSやマッチングアプリを利用して、怪しいオンラインカジノに誘導する手口が報告されています。
典型的な例が、出会い系アプリなどで美女からメッセージが送られてきて、賭けに誘導させられるパターンです。
儲け話や攻略法の宣伝
SNSを通じて「簡単に儲かる」「特別なノウハウや裏技がある」といった誘い文句で、オンラインカジノへの参加を促す詐欺が行われています。
オーナー会員勧誘
SNSで「オンラインカジノの紹介料で儲かる」という謳い文句でオーナー会員を募り、ネズミ講式の詐欺を行う事例が増加しています。
アフィリエイト詐欺
SNSにオンラインカジノの広告を掲載するだけで簡単に儲かると勧誘し、高額な入会金を要求する詐欺が報告されています。
説明会への誘導
SNSで知り合った人物から「簡単に儲かる話がある」と誘われ、説明会で長時間説得されてオンラインカジノに関連する偽の高額な契約をさせられる事例もあります。
これらの詐欺は、SNSの特性を利用して被害者を勧誘し、オンラインカジノの攻略法や簡単に儲かる方法があるかのように装って金銭を騙し取ります。注意が必要です。
対策
- SNS上の怪しい勧誘には絶対に乗らない
- アフィリエイト勧誘を安易に信じない
- SNS上で不自然な日本語のメッセージや外国語のメッセージを受け取った場合は注意する
3. 出金拒否詐欺(不正なオンラインカジノ)

ライセンスを取得して合法的に運営されているにも関わらず、不正にプレイヤーからの出金を拒否する悪質なオンラインカジノの事例も報告されています。
「KYC不備」「ボーナスの賭け条件未達成」「不正プレイ」などの理由で出金拒否
典型的な例が、「何回連絡してもサポートからの返事がない」「プレイヤーがそのうち諦めるのを待っている」といったものです。
そもそも日本語サポートがない、または対応が悪い、ということもあります。
その他、出金条件を達成しているのに出金が認められなかったり、KYC (本人確認) に不備があると言われ、延々と同じ書類を提出させられるケースも報告されています。
日付 | 内容 |
---|---|
2021年 | 横綱カジノ事件: 突然閉鎖し、プレイヤー資金を持ち逃げ |
2009年 | お台場カジノ事件: プレイヤーへの未払い金を残して閉鎖 |
ベラジョンカジノ2000万円出金拒否事件(出金申請後4ヵ月後に解決) |
対策
- ライセンスを取得して合法的に運営されているオンラインカジノのみを選び、口コミや評判もチェックする
- 出金条件を事前に確認し、怪しい点がないか確認する (出金条件を明記していないオンラインカジノもある)
4. 闇バイト詐欺(オンラインカジノ運営側)

オンラインカジノに関連する闇バイトの被害例や逮捕例について、以下のような事例が報告されています。
闇バイトへの加担
ギャンブル依存症問題を考える会の田中紀子代表によると、特に増加しているのが「闇バイト」に加担してしまった「受け子」や「出し子」の事例です。
受け子と出し子について説明しましょう。
- 受け子:詐欺の被害者から直接現金を受け取る役割を担う。
- 出し子:詐欺で得た資金をATMから引き出す役割を果たす。オンラインカジノ関連では、被害者から騙し取った金銭やキャッシュカードを使用して現金を引き出す役割。
こういった闇バイトには30歳未満の若い世代が多く関与しており、「短時間で簡単に大金を稼げる」という誘い文句で勧誘されることが多いです。
また、自身がギャンブルでトラブルに遭い、その埋め合わせをするために闇バイトに手を染める事例も増えています。
実際に、ギャンブル依存症の人の約3分の1が「闇バイトや横領などの犯罪行為をした」と回答しています。
こういった闇バイトは見つかれば当然逮捕されます。出し子は窃盗罪で逮捕され、有罪となる恐れがあります。
また、逮捕されるされないにかかわらず、個人情報を悪用され脅迫される可能性もあります。くれぐれも気を付けましょう
闇バイトの募集方法と注意点
闇バイトはSNSや掲示板で「高収入バイト」として宣伝されることが多い傾向にあります。
特に、メッセージアプリの使用 (Telegram、Signal、WeChat、DingTalkなど) のアプリでのやりとりで誘導されたケースが多数報告されています。
これらはもちろん非正規の契約のため、正式な雇用契約が結ばれません。従って、労働者としての権利が何も保護されないのです。
「出し子」の場合、ATMのカメラに記録が残るため、逮捕のリスクがより高くなります。
オンラインカジノに関連する闇バイトは、簡単に高収入が得られるように見えますが、実際には犯罪に加担することになり、逮捕や実刑のリスクが高いです。
また、一度関与すると抜け出すことが難しく、深刻な問題に発展する可能性があります。
資金洗浄の疑い
2024年6月、大阪府警が組織犯罪処罰法違反容疑などで会社代表の男らを逮捕しました。
これらの容疑者は、カジノサイトへの賭け金を不正開設した口座に移して資金洗浄した疑いがあることが判明しています。
こういった事例で、闇バイトとして口座の名義貸しなどをさせるケースもあるようです。
対策
- 「楽して稼げる」仕事は詐欺と考える
- 口座売買には絶対に関与しない
5. 詐欺オンラインカジノへの誘導詐欺

最初に説明したインカジと似ていますが、何らかの手法で詐欺オンラインカジノ (海外で合法的に運営されているオンラインカジノの場合もある) に誘導し、そこでお金を賭けさせたり、勝利金を巻き上げたりする詐欺行為も報告されています。
海外のオンラインカジノで賭けを行わせた
2025年1月30日岡山西警察署が、海外のオンラインカジノに利用者を勧誘しスロットなどをさせた常習賭博の疑いで、名古屋市の会社役員の男ら男女4人を逮捕しました。
振り込め詐欺的な手法で入金させる
オンラインカジノを利用した詐欺的行為の例として、「横綱カジノ事件」があります。このカジノは予告なしに突然閉鎖し、プレイヤーの資金を持ち逃げしました。
閉鎖前には「振り込め詐欺」に近い手口でユーザーからお金を騙し取っていたとされています。
オンラインカジノが未払い金を残して閉鎖
「お台場カジノ事件」では、2009年にプレイヤーへの未払い金を残したまま突然閉鎖されました。
2009年初頭から出金遅滞が常態化していましたが、運営側はプレイヤーからの入金を受け付け続けたようです。
最終的にはログインもできなくなり、資金が引き出せないまま閉鎖されました。
これらの事例は、オンラインカジノを装った詐欺行為、またはオンラインカジノ運営側の不正行為が実際に行われていることを示しています。
しかし、海外で運営されているオンラインカジノの場合、詐欺があったことを証明できても、現実的に立件することは難しいとされています。
6. 仮想通貨を使ったオンラインカジノ詐欺

オンラインカジノと仮想通貨を組み合わせた詐欺行為が報告されています。以下に具体的な事例を挙げます。
2025年1月14日 | 神戸地裁で24歳の被告男性に実刑判決が下された。この男性は、違法なオンラインカジノの利用客向けに電子マネーを暗号資産(仮想通貨)に換金し、約8千万円の違法な収益を得たとして、電子計算機使用詐欺や常習賭博ほう助などの罪に問われた。 |
2019年夏 | Tinderで知り合った女性がオンラインカジノに誘導し、最終的に約1000万円の被害が発生した。被害者は、クレジットカードでの決済に加え、ビットコインでの送金を要求され、700万円相当のビットコインを送金。 |
これらの典型的な手法は以下です。
- SNSやマッチングアプリを利用して被害者を勧誘する。
- オンラインカジノでの「必勝法」や「大金が稼げる」といった誘い文句を使用する。
- 仮想通貨での送金を要求し、追跡を困難にする。
- 被害額が高額になる傾向がある。
仮想通貨を利用した詐欺は、その匿名性から被害回復が困難であることが指摘されています。
このような詐欺に巻き込まれないよう、オンラインカジノや見知らぬ人からの投資の誘いには十分注意する必要があります。
7. ギャンブル攻略情報詐欺

ギャンブルの必勝法や誰でも稼げるという謳い文句で詐欺行為を行った事例がいくつか報告されています。
ギャンブル詐欺
埼玉県蕨警察署が2021年5月に発表した事例では、50代の女性が「馬券購入を当社で行えば配当金が得られる」という電話に騙され、1830万円を詐取されました。
必勝法詐欺
パチンコや競馬、競艇などの「必勝法を教える」と謳い、会員登録料や情報料の名目で金銭を騙し取る手口が報告されています。
打ち子詐欺
パチンコの打ち子を募集すると呼びかけ、保証金を要求して騙し取る手口も存在します。
抽選結果詐欺
「ロト6の抽選結果を事前に教える」と称して、実際には公開済みの情報を利用して信用させ、金銭を要求する手口も報告されています。
これらの詐欺は、「簡単に儲かる」「高収入」「日払い保証」といった文言を使って被害者を誘い込みます。
特にシニア層が「オンライン」「ネットシステム」といった言葉に騙されやすい傾向があるため注意が必要です。
まとめ
オンラインカジノに関連する詐欺や違法行為は多岐にわたります。特にSNSでの勧誘や出金拒否、闇バイト詐欺などが増えており、利用者は十分に注意する必要があります。